Excelの作業が早い人は総じてショートカットを的確に使いこなしています。
場合によっては下手なマクロ組むより早いかもしれない。ショートカットを使えるのとそうでないのとでは作業効率に大きな差が出ます。
Excel歴20年超の業務プログラマ、好きが高じてOffice MasterとってしまったOfficeオタクな私が、用途別に使えるExcelショートカットを紹介します。
Excelショートカット集
ショートカットを使うことで効率があがるのは、主に次の操作だと思います。
- セルカーソルの移動やアクティブシートの切り替えなど、入力対象の切り替え
- 文字や数式の入力
- 範囲選択
- ツールやメニューの選択・実行
特にマウスを多用している操作をショートカットに変えると効果的です。
ファンクションキー機能
キー | 説明 | 備考 |
[F2] | 数式バーからの入力とセル内編集の切り替え | |
[F4] | 直前の操作を繰り返す | ※ |
[F5] | ジャンプダイアログを表示する |
※[F4]:Excelはファイル単位で操作履歴を保持していて、選択範囲が同じタイプであれば、繰り返し使用できます。
セルの書式設定ダイアログで設定した操作は一括で覚えていますので、F4一回で設定が再現できます。一方、ツールボタンなんかでひとつひとつ実行した操作については、直前のボタンの操作だけが繰り返されます。
範囲選択系
キー | 説明 | 備考 |
[Shift] + [Space] | 行全体を選択 | ※1 |
[Ctrl] + [Space] | 列全体を選択 | ※2 |
※行選択・列選択
いずれも日本語入力はOFFの状態で操作してください。
日本語ONになっていると、セルにスペースが入力されるだけなので必ず日本語はOFFで。
※1:行選択
- セルを1個以上選択します
- [Shift] + [Space] で、セルがあった行全体が選択されます
- タテ方向に2個以上のセルを選択してる場合でも
- [Shift] + [Space] で、選択してたすべての行が選択されます
※2:列選択
- 選択したい列内のどこでも良いのでセルを選択します
- [Ctrl] + [Space]で、セルがあった列全体が選択されます
- ヨコ方向に2個以上のセルを選択した場合でも
- [Ctrl] + [Space]で、セルがあったすべての列が選択されます
シート操作系
キー | 説明 |
[Shift] + [F11] | 現在アクティブになっているシートの前(左隣)に新規ワークシートを挿入する |
シート名を変更 | |
シートの移動またはコピーダイアログを表示 |
セル操作系
キー | 説明 | 備考 |
[Ctrl] + [-] | 削除ダイアログを表示する(単一セルを選択していても、行・列を削除指定OK) | |
セルの挿入ダイアログを表示する(同上) |
表操作系
キー | 説明 | 備考 |
[Alt] + [;] | 可視セルのみ選択(範囲選択中に使用可能) | |
オートSUMを挿入(複数セルOK。※F) |
フィルタ操作系
キー | 説明 | 備考 |
または |
フィルタを設定する(※F) | |
フィルタ設定は残したまま、絞り込みを解除 | ||
[Alt] + [↓] | フィルタの先頭行(項目見出し)でコレを押すと、条件を設定する小窓が表示される |
※F:フィルタや表操作を行う時の注意
範囲設定をせずにこれらのショートカットを実行した場合、Excelが勝手に表の範囲を判断するので、思い通りの行がヘッダにならない場合もあるでしょう。
ヘッダ部が複数行ある表の場合、ヘッダ行の中でもいちばん下の行からデータの最終セルまでを選択したうえでフィルタしてやると良いです。
行・列 操作系
キー | 説明 | 備考 |
[Ctrl] + [9] | セルカーソルがいま居る行を非表示にする(複数行OK) | |
[Ctrl] + [Shift] + [9] | 選択した行範囲中に非表示の行があれば再表示する | |
[Ctrl] + [0] | セルカーソルがいま居る列を非表示にする(複数列OK) | |
[Ctrl] + [Shift] + [0] | 選択した列範囲中に非表示の列があれば再表示する |
入力・書式設定系
キー | 説明 | 備考 |
形式を選択して貼り付けダイアログを表示する(もちろんコピーした後に使用可能) | ||
カンマ区切り | ||
[Ctrl] + [1] | セルの書式設定ダイアログを表示(書式設定系はこのひとつでほとんどおk) |
Excel環境変化系
キー | 説明 | 備考 |
数式バーの複数行表示と1行表示を切り替える | ||
[Scroll Lock] → [↓] | シートの表示領域を1行か3行下(Excel設定による)にスクロールする(※ScrollLock) |
※ScrollLock:リスト系コントロールの中のスクロールは不可。あくまでワークシートが対象。
これはExcelだけのショートカットではなくWin共通。
尚、Scroll Lockの使用には注意が必要です。
Excelを終了しても押されたままになるので、使ったあとはもう一度押して解除しておきましょう。
そうしないと[↓]キー押すたびにスクロールしちゃって厄介なんで注意。
Alt系ショートカットは覚える必要なし!「キーヒント」を参照しよう
Excelをはじめ、Officeアプリケーション製品では、[Alt] キーだけを押すとキーヒントが表示されます。
こんな風に↓
[Alt]を押しながらキーヒントに表示されている文字を押すと、そのボタンがクリックされたのと同じ動作をします。
この「Alt+何か」で動作する機能は「アクセスキー」と呼ばれています。
メニュー、メニュー項目、ボタンなどコントロールのラベルテキストのとなりに表示されている下線付きの文字が「アクセスキー」です。
こいつらみんな「Alt+文字」で実行できるし、キーヒントで表示されるので、いちいち覚える必要はないのです。
ちなみにキーヒントの表示を消したい場合、[Esc]キーを押すことで消えます。
Microsoftはリボンを使わせたがっているようで、ほとんどすべての機能にアクセスキーが割り当てられています。
Ctrl系のショートカットキーのように、その機能をダイレクトに呼び出すことは出来ませんが、
アクセスキーの場合、覚えていなくてもキーヒントを頼りにコマンドを渡り歩くことができるでしょう。
ショートカットはCtrl系で良く使うものだけ覚えれば大丈夫
Excelの作業をすべてショートカットで行うにはたくさんのショートカットを覚えなくちゃならんので無理があるし、マウスを併用した方がかえって効率が良い場合も多々あります。
「キーボード → マウス → キーボード」といったように、手を離す回数が多くなる場合はショートカットを使えば効率は上がりますが、前後の操作がマウスだったら、間の操作をマウスでやってもたいして所要時間は変わらないです。
ショートカットを使用してダイアログを表示したあと、その中のリスト系コントロール(リストボックス、コンボボックスとかね)から何かを選んだりするシーンでは、行数が多ければ多いほどマウスで探して選んだ方が早いのです。
ショートカットはただの手段のひとつに過ぎません。覚えていかなくちゃいけないことって他にたくさんありますからね。
作っている表の意味を知る事の方が大切なことだと思います。
それでは、検討を祈る!